古屋佐久左衛門が好きすぎて買ってきました。佐久左、かっこいい…!
五稜郭の兄弟 高橋義夫 廣済堂文庫
とにかく古屋の本が読みたくて、見つけてきました「五稜郭の兄弟」。
タイトル通り、古屋だけでなく高松も主人公です。古屋が久留米藩を脱藩していくところから、古屋の死まで。
最初の久留米時代に、高松も古屋も久留米弁(というのか?)をしゃべってるんですが、それがかわいくてかわいくって!しばらく、私も久留米弁?でメールとか打ってました。いやだって高松が、古屋のことを「勝兄、勝兄」って言うのがまた…!
あと古屋、かっこいいです、特に神奈川奉行所勤めあたり。
5人1組で同居してたんだって!(そこか!) みんな古屋の勉強する背中を見ながら、ムラムラしてたんだよ(そんなシーンはありません)。2人同居とかだと古屋の貞操は危なかったけど、5人だから逆に牽制し合ってて、無事にすんだんだと思います!!いやほんと!
で、その神奈川ですが、1番好きなエピソードは、道で馬乗り回してたイギリス人が子供を引っかけちゃって大怪我を負わせたんだけど、それで「ガキが勝手に飛び出してきたから悪い」とか怒鳴ってたんですね。それを町人たちがみんなどうにもできなくて見てるんだけど、そこにいた古屋が、「賠償金を取ってきてやる!」って言って、父親呼んで来て公使館で直談判。見事、賠償金をゲットしてやるという…。かっこいい。もうあの古屋の写真を知ってるから余計にかっこいいんだよ(すいません、写真でほれました、古屋)
しかし、正直なところあとはそんなに萌えどころはありません。なんていうか、対話のシーンが少ないんですよね。今井が古屋になついてるとことかあるかと思ったけど、別に特にないし。そもそも今井はいるんだけれど、名前が説明文調で出てくるだけで、生き生き動いてることがあんまりない(笑)
兄弟愛は、うーん、微妙に…。2人とも基本的に別々なのでたまにしか出会うことがないですし。でも2人のシーンはかわいらしいんだけれども。とても。あとさらに下の弟、六郎くんがまたかわいらしい。でも何がといわれると困るくらいに、たいしたエピソードはないという…。
古屋の入院してからもなんか、あまり2人の感動のシーンとかないんで残念。高松に大泣きさせたかったんだよ、古屋の枕元で!
あ、箱館以降の高松かっこいいです。いつの間に、お前そんな立派になったの?って感じなんですが、薩摩兵相手に病院で立ち向かうとことか男前!しかし、文中に「凌雲が強情で、口が悪いのは知っている」ってのが急に出てきて(ちなみに主語は、榎本対馬)、いつの間にそんなキャラ決まってたの?ってなりました(笑) うん、あまりキャラを際立たせるような感じじゃないのかな…。
最初ちょっと衝撃だった広瀬先生の土方にも、けっこう慣れてきました(笑)
新選組風雲録(洛中編・激闘編・落日編・戊辰編・函館編)
広瀬仁紀 文春文庫
5分冊で、最初の洛中編は池田屋と蛤御門、激闘編は伊東入隊と山南脱走、落日編は伊藤脱退から油小路、戊辰編が鳥羽伏見から仙台に向かうあたり、函館編はそれ以降という感じ。
主人公はオリキャラ?の忠助です。元盗人で、表向きは馬丁、裏では土方の密偵として働いてます。口調のせいと小者なのとでなんかおっちゃんっぽく見えるんだけれど、土方より若い。最初26歳くらいじゃなかったかな(すいません、うろ覚え)
あとは、もうひとり、多加という女の盗賊が出てきて、それが吉田稔麿の恋人だったって設定でずっと新選組に恨みを抱いてるという。で、そのひとは桂に肩入れしていくんですが、そのあたりは忠助との元盗人同士の構図、みたいなもんが軽く出来上がっているような、いないような(笑)
正直なところ、特にこれと言って特徴はない感じです。いや、オリキャラが割と出ばるとこは、すごく特徴なわけなんですが、広瀬先生のほかの本を読んでると…うーん、なんかそれぞれの人物のキャラ立ちはまったく同じなので、あまり変わり映えしないというか…。
あ、山崎がかっこよかったです。すごい仕事のできる奴…。山崎には惚れそうになった(笑)
すみません、なんかめちゃくちゃ歯切れの悪い感想ですね。
言ってしまえば、ほかの広瀬先生の本を全部集めて1つのシリーズにしました的な(笑)
いや、私全部読んだわけではないのでそんな失礼なこと、言っちゃいけないんですが…。読む前の期待が大きすぎただけになんとも…。うーん…。
燃えよ剣 TV東京正月時代劇
土方歳三 役所広司
近藤勇 石立鉄男
沖田総司 辻輝猛
芹沢鴨 前田吟
あとのキャストは役者さんが微妙すぎてわかりません(笑)
でもキャラはすっごくよかったです…!このひと合わないっていうのがほとんどなかった。いや細かいところつつくと、あるんですが、まあ思い入れのない人たちが多少ずれていても構わん…という感じ(笑)
幕末ドラマ見るときに一番気になるのが、実年齢との差なんですが、今回はそれほど気にならなかったです。役所さんも当時34歳だとかで、まあ多摩時代はちょっとふけてる感はあるけど、それでも晩年までなんでOK!沖田は例によってそんなに外れてません。てか沖田だけはたいがいいつも合ってるから不思議だ…。
その沖田ですが、史実のひらめ顔を取り入れつつ、爽やか好青年も残した感じで、いい感じに黒い?雰囲気が出ててとってもよかったです。薄幸の美少年みたいなのはちょっとよろしくないので…(笑)
永倉なんかもすごい味があってよかったです。
でも萌え所はなんといっても、沖田と土方!超仲がいい…!
ていうか、お前らなんなんだ!っていうくら激しいじゃれあいの仕方をするんですよ、奴ら。
土方を押し倒して、首を絞める沖田。
その沖田を股に挟んで締め上げる土方。
とか、
沖田の股間を握る土方
土方の股間にパンチする沖田
とか
病で寝込んでる沖田の布団にもぐりこむ土方!!!!
とか、もうなんかすごい。ラブラブ。
残念ながら沖田の股間を握ったのは、土方が遊郭に行くときの合図みたいなもんで、ついでに沖田の布団にもぐりこんだのも、下半身だけで座り込んだ状態なので、エロスというほどのものではないんですが。ここまで激しくスキンシップしてるのを見たことがないよ…(笑)
大河新選組でも、沖田の布団にもぐりこんだりはしなかった、はず。
その後ふたりで布団かぶって座り込むんですが、2人して顔見合わせてすっごい幸せそうに笑ってるんですよ。幸せそうっていっても、もう伏見に移った後なので時期的には辛い状態なんですが。
その後、せきが止まらなくなった沖田に「死ぬな、死ぬな」ってずっと言いながら背中をさすってやっててなんか泣ける…。
京都時代も、2人で一緒にごはん食べてて、沖田が土方のごはんよそってあげるの。「多すぎる」とか言って怒られるんですが、なんかそういう自然なやりとりが、すごいうまい、役所さんはほんとすげーひとです。はい。
で、お話のほうは、肝心の?鳥羽伏見以降が驚くほどあっさりで、流山が終わったら即五稜郭というありさまでした。しかも箱館戦争ということばすら出てこなかった…。
最期は、五稜郭に決して見えない五稜郭で、なぜか土方が1人大量の敵兵に囲まれて、斬りあってズボズボ刺されて討ち死にするという…、なんていうか画期的な(笑)
てかもう、なんで郭内にいるのかもわかりませんが、まわり固めていたと思われる添役とか誰一人いません。なんであんないい加減なんだろう。最後は本当に時間がなかったんだろうなっていう怒涛の流され方で、流山とかはどこの山の中?みたいになってましたよ。小屋とかないの、完全に山中に座り込んでる新選組…。
ほかにも色々と歴史知らなかったら、誤解されそうな描かれ方です。
王政復古のところで、土方が、「王政復古の大号令!」って叫んでて笑えました。このひと何、教科書?(笑)
あとあと、女口説くときの土方が多少気持ち悪…(笑)ってかワンパターンなんだよ!お前は!と思いましたがそれは原作どおりなんだっけか。
あと、土方と隊士の交流とかもほとんどないという。沖田・土方で進んでいった感が強い。
あ、しまった。最後なんか悪口になってしまいましたが、とにかくキャラはよいです。沖田と土方!近藤さんもかわいいしとてもよかった。
なんか貴重本だと聞いて慌てて買ったものの、ずーっと放置してました。思ったより手に入りにくいものでもなさそうです。
新選組の哲学 福田定良 中公文庫
哲学者である著者が、ある新選組ファンの老人が見たという夢の話をまとめたもの。珍しい形式ですよねー。夢の話の部分は、完全に小説になっていて、その前後に老人と著者の対話が入ります。
小説のところは、著者があとがきでも言っているように、司馬遼太郎の作ったキャライメージまんま!あと、沖田と斉藤がやたら出張ってて仲がいいのが、ちょっと気になるところです。いや、別に批判とかではなくてね。でも沖田はほとんどすべての話に出てるんじゃなかろうか…。ほんと、沖田沖田沖田!この老人は沖田ファンか、老人なのに(どんな偏見だよ!)
夢の話なので、史実の事件の話などはあまり関係ありませんが、その話の間から個々のキャラの心理が浮かび上がってくるような感じ。そこらへんが「哲学」なのかなあ…。
とりあえず、土方メインのお話は2つです。「土方のタトエ話」と「土方歳三の癖」
どっちも(無理矢理)分類するなら沖土(笑)
「土方のタトエ話」のほうは、土方が沖田に浮気の話をしだして、散々困惑させてるんですが、その沖田の困惑をよそに勝手にべらべらしゃべってる土方がなんかかわいい…。
自分が妻だとして、夫が浮気をしている場合どうするか?という話になるんですが、土方さんならどうするのかと沖田に尋ねられて、土方は「相手の女を斬る」と即答。
土方ったら、近藤さんを夫と見立てて言ってるのか…!ていうか、妻気取りか!(笑)
でもその後沖田に、そんなことしたら亭主に捨てられる、と言われ、そのときは亭主も斬るとか言ってるので、結局ただの恐妻…(笑)
「土方歳三の癖」は、切ないといえば切ないんでしょうが、なんたってその癖が鼻くそほじりなんで、なんとも…。うーん、アイドルは鼻くそなんてないんだよ…!と老人に言いたい(笑)
あとは、近藤メインの話なんですが、「おれには見えない」。これが近藤土方の夫婦っぷり、というか土方の妻っぷり?が炸裂しててちょっとよかったです(笑)
土方がなんか、近藤を慰めるのに必死で本当に妻のよう…。でも最後はちょっと切ない。
この本、面白いんですが、登場隊士数が少ないのと、京都時代メインなんで私の萌えどころには微妙にずれているのがちょっと痛い。でも京都時代がお好きな方と斉藤、沖田のファンにはよいと思います!しかし、心情が解説されてるので、なんとなく萌えー!というものはあまり見つけられない…、妄想の余地がちょっと少ないかもしれません。
土方目当てに読み始めたら、なんだかあっという間に読了してました。しかし、なんか「適塾の維新」に似てる…。
みぶろ 奈良谷隆 ベスト時代文庫
主人公は、桂珍平と坂本朝太という漫才コンビ。勿論、オリキャラです。この2人が間違って新選組に入隊するところからお話が始まります。
全3話の連作になっていて、それぞれ概要は
「笑わぬ男」絶対に笑わない土方を笑わそうと必死になる話
「怒らぬ男」絶対に怒らない嘉納治五郎(柔道の父と呼ばれる講道館柔道の創始者らしい)を怒らそうとする話
「泣かぬ男」学生時代の夏目漱石のこと。泣かせようとはしてない(笑)
とこんな感じ。
全部繋がっていて、時系列もちゃんとなっています。なので、なんか3作目の話になっても「元新選組」って本人たちは言っているし、斉藤は出てくるし(笑)、ちょっとうれしい。
さてさて、やっぱり注目すべきは「笑わぬ男」でしょう。
珍平と朝太は、間違えてわけも分からぬままに、池田屋直後の新選組に入隊します。しかもなんだかちゃっかり三番隊配属(笑)剣術も何もできないのに、おかしい…とは思いますが(てか、入隊試験が超適当なんです)そこはまあご愛嬌?みたいなことで。
ここの斉藤は、一言で言うと普通の人(笑)強烈なキャラではないです、言うこともまともだし、普通にやさしいし、面倒見がいいし、よくしゃべるし、なんかその辺ちょっと新しい斉藤キャラかも。
そして、土方!かわいいんです!
初登場時はこれ。朝太は夜厠に行こうとして、廊下で近藤さんをふんづける。でも近藤さんは怒らないどっかへ行ってしまうんだけれど、そこへにゅっと土方が現れて、「いま見たことは誰にも言うな」って言って消えていくという。
土方ったらなんで、お前夜中の近藤さんの行動見張ってるんだ…!(笑)そんなに心配か!?
これは、単に落書きしている近藤の姿が恥ずかしかったので、土方が見てられなくなって口止めしたってだけなんだけど、ああもう、今更だけどお前ほんと女房だな…!
土方の近藤プロデュース計画には、落書きしてる近藤はありえないんだよね。
そしてお次が、厠を覗かれる土方。
覗いてるのは主人公たちなんですが、土方の色白の尻を見て「いろっぺえ」とか言ってるよ…!生唾飲んでるんですよ…!
うおー。私も見たい…!見たい!(やめなさい)
そしてそして、好きなシーンが、道場の片隅に面をつけたまま座り込んでる土方。土方いるのに、おとなしくて誰も気づいていないという。で、それ見つけた朝太が、「一手お願いしたい」というので、仕方なく打ち合うも、朝太の一本が入って、土方すぐにぶっ倒れちゃうんですよ!んで、面をとってみたら、なんと風疹だったという。
発疹のできた顔を見られるのが嫌で、おまけにしんどいので、面被って隅っこでおとなしくしてたんだって…!もうかわいい…!かわいすぎる、このせんせ…!
沖田も言ってたけど、ほんと、おとなしく寝てろよ…!って思うんですが、なんか土方の美学にあわんのでしょう。あーもう、ほんとにかわいい奴だ。
こんな明るい話なんですが、基本的には史実に沿ってるので、箱館にも行きます。さらっとですが(笑)土方は最後までかわいい。これもっと真剣に(って言ったら失礼だろうか)史実に沿って、じっくり書いていってくれたらきっと素敵な本になると思うのですが。ほんと土方かわいいし。(そればっか)
何にせよ短いので残念です。
斉藤は最後まで出てきます。あとは永倉がちらっと2話あたりで。
ほかは明治なんでまあ、新選組色は薄い(というかほぼない)んですが、永昌寺時代の講道館のメンツとか普通にホモを連想させて楽しい。お兄ちゃんたちがいっぱい共同生活してるんだよ…!(それか)