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斉土のバイブルと巷で有名なこれ。函館まで買いにいったんですよ、ネット通販できると知っていたにも関わらず(笑)しかし初版のほうがよいんだそうですねえ。というわけで、これは改訂版でございます。

『散華 土方歳三』 萩尾農 五稜郭タワー

一応、土方の多摩時代から最期までを描いた作品。でもやっぱり鳥羽・伏見以降に重点を置いているような感じです。

この本のすごいのは、みんなが土方を大好きなこと!と土方が乙女なこと!そして後半の怒涛の斎土(笑)
ちょっとこっちが恥ずかしくなるくらいです。
芹沢も山南もみんな土方が大好きらしい。死んでも出てきます。ていうか、ここでは
土方は死者と会話できる
しい。しかも土方の都合のいい事ばっかり言う(笑)乙女だからね、妄想しちゃうんだよね、土方先生!
総司も、勿論他の小説と同様、土方のこと大好きですが、ここの彼は、土方だけが大事で心配で仕方ない…って感じ。自分の死を感じたら、さっそく斉藤に土方のことを託してます。「土方さんを守ってください」と。土方が本当は鬼でないことを知っているのは、斉藤だけなので斉藤にしか頼めないんだって。今思えば、これが今後の斉土ロードへの入り口だった…(笑)
総司の土方への想いは、最期のほうはほんとにただただ切ないです。総司関連でいちばん印象的だったことば。


「俺、好きだったよ、歳さんのこと」
半分、冗談のように告白してみた。

告白した」ではなく「告白してみた」っていうのが素敵じゃないですか!
そんなこと改めて言う必要のないことで、ふたりともとっくに感じていたことだけど、もしかしたら最期になるかもしれないから、あえて今(会津に向かうと土方がいいにきたとき)言葉にするっていう感じがして、好きです。土方も土方で、赤くなって照れてるんだけど、茶化したりしないのが、本気臭い(笑)
あと、総司関連では、京都時代にぶらっと1人で外出した土方に、後で斉藤と総司と2人してたっぷり説教するっていうエピソードがとても好き。2人に叱られる土方、かわいいじゃないですか!

そして、市川あたりからは、もう斉藤が土方のこと独占ですよ。なんかいつもいる気がする。いや、かかれてないんだけれど気配を感じる…(笑)妄想ですか?そうですか、すみませ…。
そしてそしてこのあたりから、土方の労咳の症状が出てきます。そうなんです、土方労咳説採用なんですよ、この本。
宇都宮城攻略のときも、ひとり有馬を探して動きまくる土方を必死に追う斉藤。しっかり守ろうとしてます。SP斉藤。土方の無鉄砲さに苦笑してるんだって…!斉藤が「困ったなあ、可愛いなあ」とか思っているのがよくわかる(笑)「仕様のない人だ」ってそればっか言ってます。
で、勝手に動く土方がついに敵に囲まれ、ぬかるみに足をとられてピンチになったとき、とっさに「斉藤」と叫ぶ。斉藤、乱戦と土砂降りの雨音の中、聞こえるはずのないその声を聞くんですよ…!そんな
エスパー斉藤
土方を囲んだという敵兵の歓声で、場所を特定し、島田や相馬(なぜかいる)もかけてくる。でもやっぱり助けるのは斉藤なんですよね。オイシイ…。そして、戦後、怪我した土方を斉藤がまた無茶して…!って睨みつけるんですが、もうそこの2人のやりとり。

「怒るなよ。余計に痛むじゃねえか」
「怒ってやしない。怒ってはいないが」
「怒っているじゃねえか!」

痴話喧嘩か…おまえたち…!!(笑)じゃれてるようにしか見えません。横にいた島田はたいそう迷惑だったと思います。とにかく会津滞在時のふたりは仲がいいです。2人の会話シーンがほんと多い!斉藤がいないときもしっかり斉土ネタが出てくるという大プッシュぶり。
斉藤がいないと土方すねてますからねー。斉藤を隊長にして白河行かせたときなんて、ときどき戦況報告にくるって言ったのに、それがなかなか来ないってプンプン。そんで、「お前は嘘つきか」と伝えさせる。そうすれば、斉藤がむきになって飛んで帰ってくると確信して…。って悪女か!土方!
なんかふたりのラブラブっぷりにあてられる…(笑)

斉藤と別れるときも、ちゃっかり再会約束してます。中島に斉藤は死んだと聞かされても、土方はまったく信じない。斉藤の魂が来なかったからだそうな。さすが死者と会話できる男、土方。「死んだなら俺のところに来るはず」とか言ってますよ。もう土方のこの自分は斉藤に愛されてるという確信、随所に出てきます。すごい自信、箱館いっても続いてます(笑)

箱館でも土方かわいいです。箱館でもエピソードはいろいろオイシイ。
寝坊して、軍議さぼったりしてます。一度はショックを受けてなんで起こさなかったと怒るんですが、伊庭も出てなかったときいて、ならいいとかおとなしくなる。なんで!なんで伊庭ならいいの!?伊庭とも仲いいんで、絶対なんかありますよ、こいつら…。つーか、まさか昨夜伊庭といっしょだった…?だから伊庭ならいいのか!?そうなのか、土方!!
労咳の話を、土方は斉藤にしか打ち明けてないんですが、伊庭はなぜかいつの間にか気づいているんですよ、そんなところも怪しい、あいつら(笑)

宮古湾海戦の野村も素敵。土方が野村を引っ張りあげようとしてるんだけど、土方が泣いてるのを見て、野村は自ら船を蹴って海に落ちていくんです。それで満足した!って感じで。かっこいい…!

そして、ついにあの男が…。

斉藤、来ちゃった…、箱館まで!(笑)
もう萩尾先生の斎土っぷりがほんとーによくわかる。そして、土方に

「あなたを迎えにきた」

とか言ってます。うおー、それはプロポーズか!ふたりで本土に戻って結婚しようってか!!!!
もう本気でそう言っているように聞こえるからすごい!!
勿論、土方は断るんですが(プロポーズをじゃないですよ、本土に戻ることをです)。で、斉藤はじゃあ自分もここで死のうと覚悟を決める。でも土方のほうは、何があっても斉藤だけは助ける、と覚悟を決める。愛しあいすぎだよ、お前たち!(笑)そして、最期の戦いが近付いたころ、土方は斉藤に写真と遺品を日野に届けるように言う。
…ん?斉藤は市村の代わり…???
だったらしいです。それほどまでに土方の愛が深いっちゅうことですよね。これ。
で、その場は言うこと聞いて去るんですが、11日の戦いの日に姿を現す斉藤。やっぱり…(笑)土方の最期も斉藤が看取ります。最期まで斎土です。

しかし個人的に注目したいもう1シーン。
土方が最後の出撃をした直後、松平が後を追う描写があるんですが。その松平さんの必死さに愛を感じるんです…!
土方の死の決意を松平が(なぜか)急に悟って慌てて追っていくんですよ。
―死なせてはならない。あの男を死なせてはならない―
とか
死ぬな!土方!
とか心の中で叫びながら!!
うおー、タロ歳万歳!!とはいえ、あれですよ、タロさんほかには特に出てこないんですけどね。タロさーん!!タロさんが、黒くエロチックに活躍する本が読みたい(そんなものはきっとない)です。

まあなんだかんだ言って、総じて斎土。斎土派さんにはお薦めです。あと一部分のみ伊庭土。でも五稜郭メンバはそんなに出てこないのが残念でした。




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