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色々レビュー
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伊庭っちは、同人誌で先にイメージを作っていました(笑)伊庭歳とか伊庭歳とか。でもそいや、ちゃんとした伊庭本読んでいない、ということで、とりあえず大御所様におすがりした次第です。池波センセー。

幕末遊撃隊  池波正太郎  集英社文庫


伊庭、かっこいいです。ほんと、いい男!強く優しく美しい!
池波さんに主人公にしてもらえると、いい男になれるんだな。きっと。うらやましい。(大野も主人公にして欲しい、とか時代錯誤なことを思ったり)

えーと、お話は慶応元年くらいから、伊庭の死まで。
伊庭歳要素とかは、一切ありません。土方は名前が一度出てきたくらい。戦死しましたよって(笑)
もちろん小太郎とは仲が良いけど登場は少ないです、人見さんもあんまり出てこない。伊庭にくっついて箱館まできた板前の鎌吉は、伊庭ラブでかわいいけれども。
というわけで、結局のところ伊庭だけがかっこいい、という。激しく伊庭マンセー。でも誰かを貶めているわけではないので、最期まで嫌味なく読めます!

さてさて、この伊庭っちは労咳です。それを悟るまでは、剣には見向きもせず学問ばかりしていたのに、己の行く先の短さを知って、急に剣に打ち込みだします。
幕末の混乱期になってからは、残りの命を幕臣としての戦いに捧げようと決めていきるんですが、その生き方がかっこいい。「オラオラオラ、俺は薩長には屈しないぜー!」という熱さはなく、むしろ何もかも悟った上で、静かに己の生き方を通している、という感じ。
だから、恋仲の小稲さんとも遊女と客の関係を崩そうとしないし、自分と結婚しろって話になってた義理妹のつやさんにも何も言わない(これははっきり断ってあげれば、とも思いますが)。そんでもって、己の家がその後も立ち行くようにと、きちんと次の当主になるだろう弟に、剣術の稽古をしっかりつけておく。
何も考えないで、思いのままに突っ走ってるんじゃなくて、死を悟ってる分しっかり死ぬ準備をして出て行く姿が、後を濁さずという感じで潔くてかっこよいのです。ていうか美しい…。

あと、小稲さんの伊庭への想いに泣けるんですよ!
伊庭はずっと小稲の縫った守り襦袢をつけて戦っていたんですが、蝦夷渡航直前、それを鎌吉が小稲にもってきます。それを見て小稲が伊庭の決意を悟ってしみじみと言う台詞が泣けるんです。
いや、言ってることは普通なんですが、なんか取り乱したりしないでしっとりと言う姿がいい…!きっとすごい辛いに違いないのに、自分は伊庭に出会えて幸せだった、ということを伝えるように言って去るという。いい女です、小稲さん。

しかし、肝心の(個人的にですが)蝦夷渡航後は、びっくりするくらいあっさり。
ちらっと旧幕が蝦夷に行ったあたりの背景説明があって、すぐ明治2年。蝦夷での戦いの様子は、基本的に伊庭視点で描かれることはありません。
もちろん、束の間の平和場面なんてものもなし。松前組がワイワイやってるのが見たかったのに…!
いきなり鎌吉が遺品もって、江戸に帰ってくるシーンになります。
伊庭の最期も、一般的に言われてるのとは状況というか場所がちょっと違って…。個人的には一般説のほうがよかったので残念…。
やっぱり蝦夷メンバのひとりとして、春日さんと床を並べて死んでほしかったんだよ…!(別に春日と×的な関係を望んでいるわけではありません)ていうか、郭内にいてほしかったの!なんかメンバーって感じがするじゃないですか!(ああ、すいません、この微妙なこだわりを伝えることばが見つかりません)

あ、あと榎本がかっこよかった。なんかどうも伊庭とはちょっと仲良しな感じで、べらべらしゃべってるのが新鮮でした。ちょっとしか出てきませんが。

おお、なんか珍しく冷静に感想を書けた気がします。それもこれも土方が出てきていないからだ…(笑)

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幕末・戦国系メディアの感想をつらつらと…。 ネタバレ満載なのでご注意くださいませ。それから常に腐女子視点でございます。
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