忍者ブログ
Admin*Write*Comment
色々レビュー
[14]  [13]  [12]  [11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

時間軸的には、好みのど真ん中かもしれない…箱館戦争本。もうひとつの-碧血の碑-の前半に当たる作品です。

箱館戦争-榎本艦隊北へ-  星亮一  角川文庫


主人公は、会津の小野権之丞。後に蝦夷共和国の箱館病院頭取になる人です。私は、これ読むまで、あー、あの蝦夷共和国組織図の端っこに名前のある人ね~くらいの認識しかありませんでした(笑)
話は、寒風沢に榎本艦隊がやってきたところから、蝦夷地上陸、平定、宮古、と4月前半くらいまで。微妙なところで終わってます(笑)

しかし、箱館政府メンバが、ぞろぞろ出てくるのでほんっと楽しい!正直に言ってしまうと、星せんせの文体とかはそんなに好きではないのですが(嫌いでもない)、萌えるキャラをどかどかつぎ込んでくれるので、読んでて幸せ…!
そして、誰のことも悪く書いてない(と私は感じたんですが)ところも、素敵です。よくある、大鳥さんや榎本さんだけ、悪者とか弱虫とかだったりしないのがよい!土方が一度、大鳥先生のことを「奴のやりかたは気に食わん」的なことを言って、小野さんも同調するんだけれど、それっきり別に反目するところが描かれるわけでもなく、全体にみんな仲良さげでほのぼのしてて、オイシイ…!いや、戦争話なんでほのぼのしてるわけはないんですが、口調がみんなのんびり系なので(なぜか)、ほのぼのに見えるという(笑)てか、かわいいんだ!みんな!もう…っ!(身悶えた)

まあ、とはいえ、結局土方探してるんですけどねー。というわけで、以下土方系萌えところを中心に(笑)

まずは、小野さんが仙台で土方に再会したところ。なんか土方が「榎本さんも仙台に着いたとか。すべてこれからです。まだまだ死ねません」って言って微笑むんですが!

その微笑が、周りを明るくする
んだって…!

何そんなアイドル路線でいいの!?いいの?!星せんせー!ありがとー!!

インテリすぎる大鳥に対して(これは小野さんが勝手に感じたこと)、榎本は硬軟取り合わせ、清濁併せ呑むといった感じだって説明が入れられるんですが、榎本さんは土方に会ったとき、開口一番、近藤を褒め称えたせいで、

土方はたちまち榎本ファンになった


って書いてあるんですが…!
私には、どうしても榎本さん「土方を落とす方法は簡単なんだよ、近藤を褒めればいいんだよ…」って裏で笑ってる姿が目に浮かぶ…(笑)!後のほうで、「榎本は暇さえあれば、土方を掴まえて、新選組の話を根掘り葉掘り聞いた」ってあるから余計に…!
近藤褒めて、土方に好きなことを話させてればいいんだ、みたいな。あー、榎本さんの作戦が手に取るようにわかるよ…!(笑)
ファンになったのは、お前だろ、榎本!

と私は言いたい、です。ちなみにこのとき、松前攻撃でその場にいない土方を松平が褒め称えてたんですよ。それもオイシイ…。

そしてその松前攻撃の土方。「松前攻撃の土方は、水を得た魚のように動き回っていた」んだそうで!なんかこの表現すごい好きなんですが…!生き生きキラキラして動き回ってる土方と、それを追う守衛新選組の姿が目に浮かぶ…(笑)「ちょっと、土方先生、勝手に進まないで…!撃たれますよ、下がって!」みたいな。あんまり勝手に動き回るもんだから、「宇都宮の傷があったときのほうが、まだよかった」とかしまいに言われてしまえばいい。

そしてそして、開陽沈没で意気消沈する榎本に土方がかけたことば。
「榎本さん、こんな事いっては失礼だが、私は何度も修羅場をくぐりました。この蝦夷にわれらの国を造って、また開陽を買えばいいじゃないですか。買うなんてケチなことではなく、いつの日か自分たちの手で造ればいいじゃないですか」
…って!なんか超真剣になぐさめてるんですが!てか、すごい
優等生的発言(笑)!
しかもこれを、土方は澄んだ目で言ったそうな。うおー、もうかわいい、土方!榎本はこの後、「土方さん、すまん」って言うんですが、もう絶対目にうその涙を浮かべて見せたりしてるんだよ、それで、土方に「榎本さんもかわいいところがあるんだな」って思われようとしてるんだよ…!あ、あれ、今気づいたけれど、これ榎土小説…???(たぶん違う)

あとあと、小野さんは会津の公用方だったので、新選組とも京都時代から付き合いがあるわけでして、何かとよく言ってくれるのですが、土方といっしょに箱館の町歩いたりとか!う、うらやましい…(そっちか)
小野さん、40代なんでちょっとみんなより年上なせいもあってそういうとこある気がします。本文でも、大人の男の持つ落ち着きと洞察力があるって書かれてますし。そんでもって特に土方を見る目が、ちょっと


小野パパ

と化している…(笑)
組閣後に土方を見た小野さんは、
「京都時代は水もしたたる美青年だった土方が、いま陸軍奉行並として眼の前にいる。(立派な男になったものだ。)小野は、感慨深く土方を見た。」って描写されてて、もうお父さん…っ!見て!歳三をもっと見て…!って思いました(笑)
あとは、箱館で誠の旗かかげて歩く土方見て、涙ぐんだりとか。ほんっと小野さん、パパ。基本的には遊撃隊ばっかり心配してるんですが、新選組ももっと愛しいつくしんでくれると色々おいしそうです(笑)



で、この小野さんと会津遊撃隊で五稜郭でお正月の宴会を開いていると、土方と島田ら新選組幹部がドカドカ入り込んでくるんです。
「小野さん、正月は会津の皆さんと一緒でないと酒がまずい」って言って、一升瓶をどかっと置くんですよ。
なに、そのおべっか…!(笑)と一瞬思いますが、なんかこうも会津と仲の良い新選組かわいい。一人じゃないんだ…!みたいな。すっごい盛り上がってるようですし。そんなに会津好きだったのか、土方。
てか、この言い方だと、正月にはいつも合同宴会していたようですね…!!
土方受けの相手の裾野が広がるのはいいことだ!(違)

なんか本当に土方ばっかり書いちゃいましたが、松平も会津の諏訪さんや安部井や、高松せんせなんかもよく出てきます。
高松が、小野さんが領事館巡るのに、「兄(古屋)は言葉ができますので、引っ張り出してください」って言って、本当に小野さん、古屋さんと一緒に領事館巡ってるのが個人的に萌ゆる…!
古屋も「弟がお世話になってます~」とか言ってるし、なんかこの2人の密かな兄弟愛とかイイ…!です。兄弟愛小説欲しいなあ。でも古屋が受けだといいなあ(笑)

ちなみに、大鳥さんはあんまりいなかったような…。小野さんも「(榎本さんには)松平殿、土方殿がついている」とか言って、完全に大鳥のこと忘れてましたしねえ(笑)

というわけで、続編の「碧血の碑」に続きます~


PR
  • ABOUT
幕末・戦国系メディアの感想をつらつらと…。 ネタバレ満載なのでご注意くださいませ。それから常に腐女子視点でございます。
Copyright © 色々レビュー All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]